ワードプレスのお問い合わせフォームはGoogleフォームとContact Form7のどちらを利用するべきかを徹底検証
コロナ騒動の影響で、インターネットを利用した集客や情報発信の重要性がますます増しています。そのような情勢でホームページにおいて重要となるものの1つがお問い合わせフォームです。
企業や店舗のホームページを訪れると、お客様からのお問い合わせを受け付けるフォームが用意されていることがあります。
問い合わせ内容とともにお名前やご連絡先を記入していただく仕様になっているものが多いのですが、「入力は煩わしいから電話かメール、SNSの方がいい」「詳しい個人情報は入力したくない」という声も耳にします。運営する側にしても、HTMLやCSSでフォームを組むのは難しそうだ、と敬遠している場合があるようです。
けれども、お問い合わせフォームを用意しておくメリットは決して少なくありません。
お問い合わせフォームなら、ユーザーはメールソフトを立ち上げたり、SNSに遷移したりせずに閲覧中のサイトから気軽に問い合わせができます。また電話のように話し中だったり、つながりにくいという状況も生じません。
フォームというアクセスしやすいチャネルを用意しておくことは、サイトの信頼性を高め、訪れた人の満足度をあげることにも貢献します。
問い合わせフォームを設置せずに、電話番号やメールアドレスを連絡手段として公開する場合は、無関係な営業電話や迷惑メールなどが届いてしまうリスクが生じます。問い合わせフォームなら、そうした被害を想定してあらかじめ対策を講じておくことも可能です。
ホームページの作成が手軽にできるようになっている現在、web上の専用ツールを利用すれば自分でコーディングしなくてもお問い合わせフォームが簡単に、しかも無料で組み込むことができるようになっています。
今回はそんなお問い合わせフォーム界の二雄「Googleフォーム」と「Contact Form7」をそれぞれの特徴を紹介します。
目次
あなたはどっち派?Googleフォーム VS Contact Form7
GoogleフォームとContact Form7のどちらを選べば良いかは、どちらも一長一短で、ケースバイケースです。ご自身のサイトで何を重視するのかによって選ぶのが良いでしょう。
ざっくり特徴を書くと、以下のようになります。
- Googleフォーム→動作が軽く安定している。一方メールで通知するのは難しく、デザインのカスタマイズや機能の追加などは専門知識が必要。
- Contact Form7→お問い合わせが送られるとメールで通知ができる。設定がワードプレスの管理画面から簡単にできる。一方ページを開く際に少し重くなりやすく、動作はレンタルサーバー上で行われるので、動作の安定性はGoogleフォームに劣る。
これらの特徴を詳しく解説していきますので、まだ問い合わせフォームを実装していない方は、どちらが自分のホームページに適しているか、また設置に当たり何に気を付ければよいかなど、ぜひ参考にしてみてください。
Googleフォームでできること
Googleはドキュメントやスプレッドシートなど、様々なワーキング環境をクラウド上で提供するサービスを行っていますが、このGoogleフォームもそのうちの一つです。
Google フォーム – アンケートを作成、分析できる無料サービス
もともとアンケート調査などを作成・集計するために用意されたフォームなので、シンプルで入力しやすいインターフェイスになっています。Googleが提供する他のサービスとシームレスでリンクするのも便利です。
具体的な特徴としては
- スプレッドシートへ出力でき、さらにExcelへ出力が可能
- 回答欄の形式を、入力必須/任意/選択方式/プルダウンメニュー/回答スキップ、のように自由に設定・編集できる
- PCサイトやスマートフォンなど端末に合わせて適切に表示される、レスポンシブ対応
- 「申込書」「注文書」「お客様アンケート」など、豊富なテンプレートが用意されている
- サイトの雰囲気に合わせてデザイン・色を自動で調整してくれる
- 画像や動画と連携させることができる
- フォームから送信されたデータはGoogleのサーバーで処理されるため、処理が軽く安定している
などがあげられます。
逆に、こうしたシンプルで使いやすい特徴を持つ反面、
- デザインを自由にカスタマイズすることができない。そのため「これはGoogleフォームだな」とばれやすい
- Excelに出力した場合、文字化けが起こるケースがしばしば報告されている。対処方法はweb上にあるが、ちょっと煩わしい
- 問い合わせが来た際に自動で報せてくれる連絡機能や、ユーザーに自動で返信する機能などがない
- 郵便番号を入れると自動で住所を表示する機能に対応していない
などといった「あったら便利」的な機能に関しては、やや物足りない感があります。初心者でも扱いやすい分、高度なニーズに応えるのは難しそうです。
Contact Form7でできること
富士山の浮世絵アイコンで知られるContact Form7は、WordPressのプラグインの1つです。なんと全世界で5百万以上もインストールされており、有名で実績も抜群なWordPressのプラグインの1つになっています。
Contact Form 7 | WordPress のお問い合わせフォームプラグイン。シンプル、でも柔軟。 [日本語]
定番のこのプラグインで作れるフォームには、便利な機能が色々と揃っています。
- 海外ユーザーにもなじみのあるインターフェイス
- 問い合わせがあったらメールで通知してくれる
- 複数のアドレス宛に通知できるので、スタッフ間で共有が可能
- メールアドレスの再入力チェックがオプションで可能
- 問い合わせをしたユーザーに自動で内容確認やサンクスメールを送信できる
こうした特徴は、問い合わせして返事を待つ側からみれば、安心できる設計になっていると言えるでしょう。
もうひとつ、Contact Form7には大きな特徴があります。それは「確認画面がない」ことです。
確認画面の必要性については両論があり、書いた内容をしっかり確かめた上で送信したい人と、「邪魔なだけだから不要」と煩わしく思う人の両方がいます。後述しますが、最近では離脱を防ぐためにできるだけユーザーの心理的な障壁を減らす傾向が強まっています。
もしあなたが確認画面があったほうがいいと考えるなら、Contact Form7単独では装備できません。「Contact Form 7 add confirm」などのプラグインを用いて、表示する仕様に変更する必要があります。
Googleフォームに比べると、Contact Form7は具体的な設定やカスタマイズに際して簡単なコーディングを要求され、やや知識が求められます。しかしながら、設定は基本的に全てWordPressの管理画面からおこなえますし、フォームを新規作成した際は、デフォルトで
- お名前
- メールアドレス
- タイトル
- 本文
のフォームを作ってくれますので、そこまで難しくはないでしょう。
一方、デメリットとして次の二つがよく報告されています。
- 読み込みに時間がかかり、表示速度がやや遅い
- メールが届かないことがある
メールアドレスが正しいにも関わらず、送信がうまくいかなかったり、何時間も経ってからメールが届くという事象が起こる場合は、サーバーの設定やスペックによる場合が考えられます。
対処法としては「WP Mail SMTP」というプラグインを併用することで解決できることがあります。このプラグインの利用により、送信したメールが迷惑メールに振り分けられてしまったり、送信の遅延を防いでくれる可能性が高まります。
Contact Form7の設定やトラブルへの対処方法等は、検索すれば解説しているサイトが山ほど見つかります。この点はGoogleフォームも同じで、シェアの高いツールの良いところと言えますね。
公式サイトにはFAQやサポート情報、ユーザーフォーラムもあるので心強いと思います。ぜひ参考にしてください。
お問い合わせフォームを作るに当たって考えたいこと3点
お問い合わせフォームにもセキュリティ対策を
近年になって迷惑メールやスパムの増加が頻繁に報告されています。それもメールに直接送りつけてくるのではなく、問い合わせフォームの自動返信機能を悪用して、第三者のメールアドレスを記入し返信させるという手口が目立っています。
高いシェアを誇るContact Form7は、それだけ標的にされやすいのもまた事実です。もしこれに狙われると、相手先に迷惑となるだけでなく、フォームを設置した側の信頼性にも悪影響が生じます。Contact Form7でお問合せフォームを作成する場合は、少なくともロボットによる不正アクセスを防ぐreCAPTCHAの設定を忘れずに行ってください。WordPressの管理画面から、Invisible reCaptchaというプラグインを利用して設定が可能です。
お問い合わせフォームの最適化EFO
最後に「問い合わせフォーム」の設計思想(ちょっと大げさですが)についてお話します。
SEO関連の技術向上により、最近のサイトはよりユーザーフレンドリーを意識するようになっています。問い合わせフォームについても、できる限りユーザーがストレスフリーで記入・送信ができるよう気を配ることで「このサイトは親切だな」という評価を得ることができます。
SEOと同じように、お問い合わせフォームに関しても最適化を図る動き(EFO:Entry Form Opitimization)が現れている、というわけです。
ただ「ユーザーへの親切さ」はサイトの内容・特性や開設の目的によって変わってきます。どの項目を入力必須とするのか、任意項目が分かりやすく配置されているか、必要以上の情報記入を要求していないか、サイトの雰囲気に合っているか、間違った入力には警告文を表示するかどうか、などフォームを公開する前によく検討するようにしましょう。
お問い合わせ内容を確実に受け取るためにしっかりと事前検証を
そして公開前には必ずきちんと動作するかのテストを実施しましょう。公開してから、実は問い合わせ内容がきちんと送られていなかった・・・などという不具合が発覚するのは、信用問題にも繋がりますので避けたいものです。
エラーが生じるのは設定ミスによる場合がほとんどなので、必ず検証を行い、あなたとユーザーの双方が得するお問い合わせフォームの実装を実現してください。
まとめ
GoogleフォームかContact Formのどちらを選ぶかは、以下の点で決めるのがおすすめです。
- お問い合わせを1件でも受け取り損ねたくない、ホームページは少しでも動作を軽くしたい、あるいは問い合わせに対してはあまり返信をしなくて良く内容だけ見れれば良いという方→Googleフォーム
- お問い合わせが来たらメールで通知を受け取りたい、少し凝った内容のフォームを作りたいという方→Contact Form7
なお、当サイトではContact Form7を利用してお問い合わせフォームを用意しています。やはりメールでタイムリーに通知してくれるので素早く対応でき、お問い合わせへの回答もそのメールに返信する形にできる方が便利だったというのが大きな理由です。
「WP Mail SMTP」というプラグインを導入し、正しく設定をおこなえば、動作も安定しています。
ページの速度は確かにGoogleフォームにした方が速いのですが、トータルで見ると、このサイトにおいてはGoogleフォームよりもContact Form7の方が向いていると考えています。
以上、ホームページ制作の参考になれば幸いです。